大好きなすずめすずめ 
ちゅん太へ





ちゅん太が私たちの手の平から、もっと大きな世界に旅立って
あれから3年が経つんだね。
今までは君の写真を見ると、ただ泣くしかできないわたしでしたが
とうとうというべきなのかな
大好きなちゅん太に手紙を書きたいと思えるようになりました

昨日、お風呂に入っている時に突然思い出した
君とわたしにあった大切なこと
忘れずに全部、少しずつ、記しておきたい。
大好きなちゅん太をずっと覚えていたい。

私たちの間にはこんな素敵なことがありました








今でも信じられないことだけど、わたしと君が一緒に過ごしたのは
2001年の7月から2002年の2月の7ヶ月間だけ。
生まれた赤ちゃんがやっとお座りをできるようになるくらいの時間。
たったそれだけの間だったのに
君と一緒に過ごした日々は永遠だったように思う

ちゅん太と暮らした夏は今までで一番きれいな夏だった
毎日がシャワーを浴びたばかりの子供のように輝いていた
君が生きていることがただうれしくて
本当にそれが望みのすべてだった


君がうちにきたときから獣医さんには
「この子は長く生きられないでしょう」とずっと言われていた
いつ命を落としてもおかしくないから覚悟をするようにって言われ続けた
わたしはそんなことは信じなかったけれど
この年はほとんど外出をしなかった




それでもPTAの集まりでどうしても外出しなければならない時は
人を家族だと思っているちゅん太が寂しがらないように
TV(音量が急に大きくなったりしないからNHK)をつけていく。
ちゅん太はわたしがいなくなると、ずっとTVの画面を見つめていたようで
帰ってきてカゴを見ると
TVに近い同じ場所にしかフンが落ちていなかった。

ちゅん太の一日は、いつもわたしにお手手抱っこをされているか
わたしの家事が終わる間、床で遊んで待っているかだったから
人の気配がまったくしない家の中は
甘えん坊の雀にとって本当に静かで寂しい場所に思えただろう。
今でもその時のちゅん太の不安な気持ちを思うと、胸が張り裂けそうになる。





PTAの仕事は9時から12時まできっかり三時間あった。
一緒に仕事をしていた人たちはとても素敵な人たちで
いつもなら喜んでこの後のお食事を共にするのだけれど。
ちゅん太がうちに来てからは
「病気の小鳥が待っているからごめんね!」って断った。
やっぱり彼女達を素敵だなって思うのは
わたしがそうすまなそうに断ると
「え?小鳥!?」ってすこし驚いた後
「わかった。また誘うね!大切な小鳥を可愛がってあげてね」って
送り出してくれたところ。

後は家まで5分の道のりを大急ぎで、途中からは走って帰った。
行きにあらかじめ買っておいた、ちゅん太の大好物のメロンパンをお土産に
小さい可愛い子がいるうちに向かって
暑い日ざしの中を飛ぶように帰る。







とても不思議だけれど
いつも扉を開ける前から
ちゅん太の声が家の中から聞こえた。
「チィチィチィ!!!」(おかえり、おかえり)という
喜んでさえずるかわいい声が。
鍵で家のドアをあけ
「ちゅん太、ただいまー!!」と大きな声で言ってから奥のリビングに進む。

茶色い小さな、最愛の雀はわたしの姿を見ると
それまでいた二階のフワフワの布を敷いたベッドの上から飛び降りて
一階の扉の前に着地する。
足が悪いのに大胆にピョーン!とジャンプする。
そして早く出して!と言わんばかりに
扉の前を右へ左へと移動する。


「ちゅん太、ただいま!!さびしかったね、退屈だったでしょう
今出してあげるからね。今日は特別にメロンパンもあるよ」
3時間もカゴにいたちゅん太が自由に遊びまわれるように
足の悪いちゅん太のために
フリースのブランケットを床に敷いて
ちゅん太が好きなオモチャを並べる。
こういう日だけは寂しい思いをさせてしまった
せめてもの慰めにと
大好物のメロンパンもちぎって置く。





そして自分もお茶を飲んで一息つこうと
台所へ行き、お湯を沸かす。
インスタントでいいやと淹れたコーヒーを持って
ふうっと椅子に座り込むと
リビングにいたはずのちゅん太がわたしの足元にいるのを
発見する。

「ちゅん太、遊ばなくていいの? 体がなまったでしょ?
あれ、メロンパンも食べなくていいの?
大好きなのに、一口も食べてないじゃない」
おかしいな、と思ってそう言うと
茶色い子はわたしを見上げて
「チィッチィッ」と鳴く。

手を伸ばして彼女の前に置くと
少しよろけながらすぐ手の平に登ってきた。

「ちゅん太、遊ぶのよりメロンパンを食べるよりも、抱っこしてほしかったの?」

ちゅん太はもちろん答えず
小さな頭をわたしの手にこすりつけてくる。
甘えるようにうっとりとしながら。
そして手の平にすっぽりと可愛くおさまって
やがて眠ってしまう。
安心しきって
満足そうに小さな寝息を立てながら。

私の手の平がちゅん太の体温で温かくなる
愛で胸がはち切れそうになる。


可愛い私のすずめ
大事なすずめすずめ ちゅん太は
わたしがいない間、ずっとわたしを恋しく思っていてくれたのでしょうか

答えは手の平の中にあるのでしょうね






愛してるよ、ちゅん太
大好きな可愛いちゅん太
この思いは年々強くなっていくよ
愛は決して枯れない泉
だから、わたしのちゅん太
わたしたちはずっと親子
あなたはわたしの永遠に可愛い子です














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